2019春アニメの「鬼滅の刃」。第1話の放送が開始され、すでに界隈では覇権との声があるほどの人気ぶり。今日はその「鬼滅の刃」の色彩について。
鬼滅の刃の時代は大正。主人公の家族や村人たちの服装は少しくすんだ色合いで、いわゆる和風な色合いが多く使われていて、今と比べると地味な色。その中でも主人公の炭次郎の緑色は他に比べると鮮やかで画面の中では常に映える。
建物の中も色みは少ない。さぶろう爺さんの鬼の話という演出で暗さが強くなっているが、その暗い室内も和風な色合いでどことなく落ち着きがありこの世界の素朴さが伝わる。
こうした和の色を多く使用している「鬼滅の刃」だが炭治郎の緑や禰豆子のピンクは色鮮やかで、建物や村人で地味な色を使い古い時代を印象付けつつも、主要キャラは現代風の派手な色を使い画面映えさせているところが素晴らしい。
謎の青年が着用する服の色も、日が出ていないため少し暗い色合いではあるが、和風な色合いを感じさせつつも色みは強く目立つ。
第1話は不気味で億劫で寂しさを感じさせる流れで雪も降っていて雰囲気は暗くとても惹きつけられました。しかし一番惹きつけられたのがオープニングアニメーション。
「鬼滅の刃」1話
— あしだもも (@animereal_htn) April 10, 2019
OP?サビのアニメーション半端ないというか刀から出てる鮮やかな青色がもうホント好き。
原作を読んで勝手に和の色、日本の伝統色とかを想像してたけどアニメはかなり色鮮やか。それでも和服の色はきちんと和の雰囲気があって絶妙な色彩設計は素晴らしい。#鬼滅の刃 pic.twitter.com/ut0SiQg5IT
刀から出るエフェクトの青の鮮やかさは圧巻の迫力。特に白の波は葛飾北斎の富嶽三十六景を彷彿とさせ、その躍動感や臨場感はとても素晴らしい。OPラストではこの刀から出ている青が龍の姿となっているのだが、細長い龍の姿は剣の鋭さ、そして強い生命を感じさせてくれる。本編で早くこの刀の青のエフェクトを見たいですね。
OPに登場する数々のキャラクターの色彩も和風な色合いを出しながらも現代の色鮮やかさが出ていて綺麗。この色彩美を見せられたら早く2話以降も見たくなる。
「鬼滅の刃」の話はここまで。余談になるかもしれないが、ここからは和の色を使って描かれた「うらら迷路帖」について少し書いておこう。
「うらら迷路帖」は2017年の冬に放送された作品。いわゆる「きらら枠」の作品で、明治や大正っぽい雰囲気の時代を生きる女の子たちが「うらら」と呼ばれる占い師を目指す作品。彼女たちが住んでいるのは占い師「うらら」が集う「迷路町」で、その色彩は日本の伝統色をベースに彩られている。「鬼滅の刃」と違って色みは多くカラフルに見えるかもしれないが、落ち着いた日本の伝統色によって鮮やかすぎない色合いは見ていて落ち着く。和服を濃い色で染めるにはコストがかかるため、庶民の人たちの和服は薄い色が多かった。それが「鬼滅の刃」の地味な色合いの服になるわけだが、うらら迷路帖はどちらかというと濃い色が使われていて、かなりアニメーションのカラフルさを意識して作られている。鬼滅の刃もうらら迷路帖も和の色を取り入れている作品だが、それぞれに趣があってエモい。もし和の色に興味を持った方がいれば「うらら迷路帖」も見て欲しい。
スポンサードリンク